エピソード1は松下電器の創業者の松下幸之助にまつわるエピソードです。
実は松下電器には、創業当初の二股ソケットを除いては、画期的な発明とか
時代を変えた新商品と言ったようなものはほとんど有りません。しかし、
例えばこんな伝説的なエピソードがあります。松下電器が操業して間もない
頃、外回りから帰って来たある社員が幸之助に報告しました。
今日、お得意様から「松下はんは何をつくってる会社ですか?」って聞かれましたわ。
「それで何て答えたんや?」
そら「電化製品を造ってる会社です」と答えました
次に聞かれたらこう答えとき。「松下電器は人をつくってる会社です。あわせて電化
製品も造ってます」
本当にこんな会話が社員とあったかどうかはわかりません(だから伝説なのですが)。
ひょっとしたら、理念が先にあって、このエピソードは後からできたものかもしれ
ません。しかし「松下電器はモノをつくる前にヒトをつくる」という理念は、この
ストーリーと共にしっかりと語り継がれています。周りからの高まりますし、社員
達もこのストーリーに合わせようと切磋琢磨するでしょう。
松下幸之助には、このような伝説的なストーリーが数多く存在します。その多くが、
単なるエピソードとして終わらず、ちゃんと企業理念や社員教育につながっている
所がすごい所です。勿論、本人にとっては、ストーリーを創っているなどという
自覚はなかったと思います(だからこそ天才なのです)が、凡人にとっては学ぶべき
所が多数あるのです。